• Yoko Yoshimoto

「グリューヴァイン・テスト」

最終更新: 4月17日



・グリューヴァインとは、ドイツのクリスマス市で飲まれるホットワインのこと。クリスマス市での、最も印象的な飲み物として世界に知られている。ドイツの情報番組で、どのグリューヴァインが美味しいかのテストを行った。

対象となるのは、ディスカウンターやスーパーで売られている、以下6つのメーカーのもの。

①Glühwein „Heiße Hirsch“ 5,32€/l

②Der rote Glühwein von Bauer 2,90€/l

③Der rote Glühwein von Gerstacker, der Marktführer 2,29€/l

④Thüringer Glühwein von Gotano 2,50€/l

⑤Christkindl Glühwein von Lidl 1,99€/l

⑥Glühwein von Aldi-Süd 1,29€/l

果たして、どのグリューヴァインが、お買い得で美味しいのか。価格は、1,29€から5€以上のものまである。審査員は、ソムリエ、研究員、そして、クリスマス市で選ばれた一般の人々。まずは、グリューヴァインの生い立ちから。

誰が一体最初に、グリューヴァインを思いついたのか?それは、ローマ人だった。なぜ彼らは、ワインにスパイスや蜂蜜を入れて甘くしたのだろう?その頃のワインは、今よりとても酸っぱくて、決して美味しいものではなかった。そこで、彼らは蜂蜜を入れた。でも、その蜂蜜は、甘味添加だけの理由ではなく、長期保存の意味もあった。今日では、品質維持のために、硫黄(Schwefel)を入れる。ラベルには、亜硫酸塩(Sulfite)と表示されている。それをワインに添加することによって、瓶内2次発酵と、ワインの酸化を防ぐ。次に、どんなスパイスが入れられているのか、毎年、6,000lの上質なグリューヴァインを、家族経営で生産している、マレンカ・ステナー氏に聞いてみた。まずは、シナモン、次に、丁子。その他、オレンジの皮、ニワトコなど。後は、企業秘密だそうだ。では、どんなブドウ品種が使われているのか。第一に、ドルンフェルダー。それは、濃い綺麗な色が出る品種だから。次に、ポルトギーザー。この品種は、ワインの飲み口をなめらかにする。そして、この蔵では、カベルネソーヴィニヨンを少し加える。これによって、ワインに力強さが加わる。この蔵のグリューヴァインも、クリスマス市で売られている。では、上記の大手メーカーのものとの違いは何だろう?それは、ヴィンツァーの造るグリューヴァインは、辛口に仕立てられていること。一般的に売られているグリューヴァインは、とても甘口に仕上げられている。では、グリューヴァインについてのもう一つのアドバイス。グリューヴァインは、決して煮立たせてはいけない。煮立たせてしまうと、アロマやアルコールが抜けてしまう。それと、糖が熱分解することで生じる、ヒドロキシメチルフルフラールという物質が出てしまう。それは、発ガン物質であるとも言われている。グリューヴァインは、煮立たせるのではなく、温めて飲むこと。この他に、グリューヴァインを美味しく楽しむには、飲用温度だけではなく、甘みと酸みとアルコールのバランスが大切となってくる。グリューヴァインのアルコール度は、7度〜14,5度の範囲と決められている。今回、テストする6種類は、すべてこの範囲内。アルコール度数は、ラベルに表示してあるので、簡単に認識できる。しかし、品質を悪くする成分については、当然ラベルには書かれていない。次は、化学分析所で、それを調べてみる。

私たちがテストする6種類のグリューヴァインの成分分析は、主に、酵母菌、揮発酸、硫黄、そして、色素成分について。その結果で、最も良かったメーカーは①番で、高品質なベースワインであることが認められた。一方、最も悪い数値を出したのが、②番のメーカー。揮発酸が、比較的多く検出された。その点を②番の製造元に問い合わせてみた。「揮発酸は、2017年産のワインから検出されました。その理由として考えられることは、2017年は、悪天候により、収穫量が激減した年であること。2018年の10月からは、中味が新しくなっています」とのこと。そして、もう一つ、カビ毒の一種のオクラトキシンAという成分を調べてみた。この物質は、カビの生えたブドウが原因で、ワインに入り、発ガン物質とされている。結果は、⑥番のグリューヴァインだけから、このオクラトキシンAが検出された。しかし、その数値は、法定基準値よりもはるかに少ないため、健康に害を及ぼさない。何れにしても、6種類全てのグリューヴァインは、健康を憂慮する必要なく楽しめる。

以上の検査数値が、グリューヴァインのすべての品質を示すわけではない。次は、5人のワインソムリエたちのブラインドによる、香り、味、そして、バランスの官能評価を行った。それぞれに、0〜5点の持ち点を与え、最も高い点数を取ったワインが、良いワインとなる。ワインのプロと呼ばれる人たちの出した結果が、以下の通り。

①Glühwein „Heiße Hirsch“ 5,32€/l・・・4,10点

②Der rote Glühwein von Bauer 2,90€/l・・・2,90点

③Der rote Glühwein von Gerstacker, der Marktführer 2,29€/l・・・3,68点

④Thüringer Glühwein von Gotano 2,50€/l・・・3,20点

⑤Christkindl Glühwein von Lidl 1,99€/l・・・3.02点

⑥Glühwein von Aldi-Süd 1,29€/l・・・3,98点

では、いよいよクリスマス市に出て、一般の人々がテイスティングを行う。無論、ラベルは隠されている。総勢59名が、このグリューヴァイン・テストに参加し、味見をし、議論してくれた。「これは甘すぎる、少しの苦みが欲しい、これは、アルコールがちょっと強い、これは、オレンジの香りがする、こちらの方が、フルーティーだ、ちょっと、シナモンが多い」、などと、自由気ままに意見が飛び交った。最終的に、自分の一番好きなグリューヴァインに一票を投じた。結果は、以下の通り。

第1位 ②Der rote Glühwein von Bauer 2,90€/l

第2位 ⑥Glühwein von Aldi-Süd 1,29€/l

第3位 ⑤Christkindl Glühwein von Lidl 1,99€/l

第3位 ③Der rote Glühwein von Gerstacker, der Marktführer 2,29€/l

第4位 ④Thüringer Glühwein von Gotano 2,50€/l

第5位 ①Glühwein „Heiße Hirsch“ 5,32€/l

総評:品質検査では、①番が最高点をマークした。②番は最低点。オクラトキシンAが検出されたのは⑥番。何れにせよ、すべてのグリューヴァインは、飲んで健康に害はない。ソムリエによる味の評価は、①番がトップ。しかし、一般の人々からは、検査数値の悪い②番と⑥番が支持され、ソムリエに評価された①番が最下位と、面白い結果が出た。


作;ZDF (2019)  訳;Yoko Yoshimoto 協力;Werner Zitzl


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