• Yoko Yoshimoto

「ゲルトルーデからのメッセージ」

最終更新: 4月17日


・ウィーン出身の89歳の女性の声明が、ネット上で流れた。200万人以上に視聴され、彼女の話は広まった。なぜなら、すべての我々自身に関係していることだったから。

2016年12月4日の日曜日は、オーストリアの将来の大統領を選ぶ日となった。しかも、前回の郵送票の開票に問題があったことによる、今回は2回目のやり直し選挙だった。この選挙は、2017年にフランス・オランダ・ドイツでも行われる「主流派VS極右政党」という、今後のヨーロッパの政局を占う選挙とも言えた。極右政党FPÖ(自由党)のノルベルト・ホーファー氏と、緑の党に近いアレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏との決戦。両者とも僅差の接戦と予想された。89歳のビデオの女性は、ファン・デア・ベレン氏を推した。

ゲルトルーデが16歳の時、彼女の2人の姉と両親は、アウシュヴィッツに連行された

ゲルトルーデは、ユダヤ人の血を引く家系であった。彼女の姉たちと母は、アウシュヴィッツの強制収容所内で、毒ガスで死んだ。父は輸送中に亡くなった。ゲルトルーデは、強制収容所での数少ない生存者となった。その後、十数年経った今、彼女の言葉はオーストリア市民に向けられた。それは、ヨーロッパ全体の私たちにも、深い意味のある言葉となった。

彼女は、7歳の時に体験した、オーストリアでの酷い内戦を忘れられない。彼女は子供ながらにして死人を目の当たりにした。人が憎しみを露わにすれば、例えば、ユダヤ人が路上で、ウィーン市民に馬鹿にされ、嫌がらせを受けたように、彼女はどんな事態になるかを知っている。そして、今日の極右ポピュリストがあらためて行っていること、弱き者を扇動し、冷静な判断を曇らせていることに、彼女は気がついている。ゲルトルーデは、自身の体験と断片的な恐ろしい記憶を元に、私たちに警告している。そして、二度とそれを許さないこと、人を憎しむことに対して、勇気を持って反対することを訴える。

選挙に行くことを、ゲルトルーデは、ヨーロッパの若者たちに訴える

ゲルトルーデは、このビデオメッセージの最後にこう加えている。「国民は、常に苦情を伝えることが出来ないもの。それがやがて、選挙に出向かなくなる。」国民は、誰を選ぶかを、また、どの人が正しいことをするかを、しっかりと考えなければならない。」

「私にとって、これが本当に最後の選挙となるでしょう。私の未来はそう長くありません。しかし、若者たちは、これからの人生がまるごと控えています。そして、自らの目で、この先どうすれば、うまく進んでいくかを見据えなければなりません。それを実行する方法は、ただ1つ、あなた方が理性を持って選ぶことです。」

結果的に、主流派のアレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏が勝利し、その後のヨーロッパの選挙に大きな影響を与えた。


作;Gertrude (2016,12,1) 訳;Yoko Yoshimoto


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