• Yoko Yoshimoto

「女性スタッフにより作られるポルノ〜良いポルノは、お互いを幸せにする〜」

最終更新: 4月17日



・「私は、男性も女性も幸せな気持ちになるポルノを見たい」とスウェーデン出身の監督エリカ・ラストが、自身のポルノフィルムについて語る。多くのポルノフィルムは、女性蔑視と人種差別であると、彼女は批判する。

・原則的には、ポルノは単なるメディアであると、エリカ・ラストは言う。目下、大半のポルノはネットで視聴されている。その大半は、女性蔑視である。それは、エロティシズムではない。全くの正反対である。

・ゆえに彼女は、新しいポルノを撮る決心をした、そして、認められた。彼女にとって大切な事は、良いポルノはお互いを幸せにするということ。その一番に、演技者の相性がいいことを挙げる。それにより、自然なキスと愛撫が撮れると言う。

・エリカ・ラストの撮るフィルムのスタッフは、全員が女性からなる。「女性が、カメラを動かし、女性がストーリーを展開する。そのストーリーは、女性としての体験から得たものである。」

エリカ・ラストさん、あなたの作るポルノと、既成の男性の作るポルノとの違いは何ですか?

女性の欲求の本質、エロティックな糸口、そして、女性スタッフとの連携のなど、その違いを私は示したい。違う体型、違う年代、そして違う人種などを大切に見なします。そして、女性がカメラを動かすこと、そして、女性が決定権を持つことを、大切にしたい。

女性のスタッフで作ることが、なぜ大切なのでしょうか?

今日の大抵のポルノは、男性によって作られています。男性の視点でもって、何がセクシーで、何に興奮して、エロティックなのかを見せられています。もし、女性の視点で作れば、必ず違ったストーリーになります。ストーリーは、女性としての体験から脚色されています。また、女性がスタッフになれば、セックスのシーン一つとっても変わってきます。なにより、女優たちが幸せな気持ちになります。

女性の作るフィルムの典型的な特徴は?

私は、女性を単なる男性を満たすセクシーな対象物としてではなく、人間として扱います。そこには、個性と、人間性と、エロティシズムと、そして、喜びがあります。私のフィルムには、男と女が良い時間をお互い共有する、ギブ・アンド・テイクがあります。

監督として重要なことは、役者どうしの相性の良さを考えます。決まり切ったポーズや、流れ、体位などに興味はありません。私は視聴者に、本当に良い信頼感のあるセックスを表現したい。彼らがお互いに触れ合い、その自然なリアクションを撮りたいのです。従来のポルノの主流は、胸やペニスの決まった体の一部を見せるだけ。私は、まず男優の顔の表情、そして、肌や腕、腹、そして背中など表現したい。

あなたのフィルムの中での、俳優同士のキスのシーンは、男性主導のポルノとは違って、とても親密に描かれています。多くのセックスシーンが、時におかしく、時にぎこちなく、そして手探りで撮られています。それは、まるで普段のありのままのセックスのように。あなたは今、プロとしてこの業界で働いています。業界は考え方を変えなければならないと思いますか?

プロの俳優たちは、本当にセックスの考え方を新しくしなくてはいけません。彼らは、現在のポルノ業界の要望に従うことに慣れてしまっています。私は彼らに言います、普段のようにセックスをするようにと。キャスティングの際には、誰と演技をしたいかを、俳優たちに聞きます。相性が良ければ、キスや愛撫が、より自然になるからです。

俳優たちは、本当に喜びを感じていますか?

俳優陣は本当に楽しんでいます。最終的には、それが一番大切なことです。多くの人たちが、ポルノビデオを見ます。彼らはおそらく、映像を見ることは好きです。しかし、その価値を全く見出してはいません。もっと、エロティックな物語を語り、様々なセックスを思い描くことを求めているように感じます。

私は4年前に、プロジェクト「告白X」を立ち上げました。ウェブサイト上に、皆さんの想像するセックスを投稿してもらうというものです。そして、毎月私がその中から2つの話を選び出し、そして短編のポルノフィルムを作ります。それらの話からは、通常のポルノ作品とは全く違うものが出来上がります。投稿者のワイルドな想像、あるいは、美しい想像、それらは全く月並みなものではありません。

例えば、、、

私たちはこのサイトで、100以上もの告白文を読みました。ある一人の女性が書いた作品、家具販売店「イケア」を舞台にした想像のストーリーがあります。彼がイケアの家具を作っている設定からフィルムが始まります。題して、「イケアの愛」。ストーリーの展開は、足のフェチズムや、胃袋、つまり食事と絡み合わせたフェチズムへと、その想定範囲はとても広いのです。

ポルノを見る事により、リラックスするということ、それは、あなたにとっての希望ですか?多くの人々は、ポルノフィルムを見ると、未だに不快に感じているのでしょうか?

原則的に、ポルノは単なる一つのメディアです。いずれにしても、多くのメディアの中の、一つの部門として、大量にネットで検索されます。となると、単なる男性だけが見るものに収まらず、すべての人々のセックスの認識に大きな影響を及ぼします。これは問題です。ネット上で見られる大抵のポルノは、女性蔑視です。それは常に乱暴的です。エロティシズムのかけらもない、全く正反対のものです。それは男性優越主義であり、時に人種差別、そして時に、同性愛を批判する要素も含まれています。

ポルノフィルム製作者自身には、問題はない。問題なのは、そこに仲介される価値です。ポルノが社会にもたらす影響を話すことが、私は重要であると思います。私たちは何をしたいのか、私たちはポルノのどこが好きなのかを、討論した上で、作らなければならない。

なぜなのでしょうか?私たちがセックスをする生き物なのだからでしょうか?単に男と女がセックスをするから、私たちがここにいます。それは事実です。だから、私たちがセックスに興味を持つことは当然です。だから、既存のポルノフィルムだけを受け入れなくていいのです。もし、私たちが食べに行くのならば、高級レストランなのか、ファミリーレストランか、あるいは、ファーストフードなのかを選びたいでしょう。

ところで、あなたのご両親は、この仕事を理解してくれていますか?あなたは女系の家族と伺いました。あなたの母親は、あなたの仕事を理解してくれていますか?

今は、理解してくれています。でも、私がポルノフィルムを製作したいと言った時は、ショックを受けていました。女性向けポルノの存在と、それは女性のためになることを理解してくれませんでした。しかし数年をかけて、彼女と多くの議論を重ねた結果、彼女は了解してくれました。そして、今は私のことを応援してくれています。

既存のポルノフィルムが、十代の若者の性教育に悪い影響を与えていることに、数人の専門家が警鐘を鳴らしています。十代の若者のセックスが、女性を軽視するポルノフィルムに影響されていると思いますか?また、あなたのフィルムは、その流れを阻止できると思いますか?あなた自身には、二人の娘さんがいらっしゃいます。お子さんには、あなたのフィルムを見せますか?

今は、見せません。娘はまだ、6才と9才です。まだ、早すぎます。でも、十代の若者が今日、コンピューター、iPad、スマートフォンなどで、ポルノ媒体を見ている現実を認識しなくてはなりません。子供とそのことについて話すことは大切であると、私は母親として考えます。すると彼らは、それが大人のために作られているということを理解します。しかし、本来こうあるべきだという性教育は、残念ながら普及してはいません。

もちろん、それが進んでいる国々もあります。しかし、大人が子供とセックスについて話さない国では、オンラインでポルノを探すことが、よりノーマルになっています。彼らがそこで見つけるものの大半は、それらが男性目線で作られているということです。それが問題なのです。

女性の役割は、男性を満足させること。ほんの一握りのフィルムだけが、女性の喜び、あるいは、テクニックを表現しているにすぎない。多くのフィルムは、挿入によって、女性がオーガズムに到達されるだけのこと。彼女たち自身が、喜びをもって、オーガズムに到達することは、女性たちが常に願っていること。私のフィルムは、そこに一つの選択肢を示していることを願っています。

あなたのフィルムの視聴者層は?

非常に広範囲です。統計によれば、60%が男性、40%が女性です。主な年齢層は、25〜45歳です。プロジェクト「告白X」では、全世界からの、あらゆる年齢層から投稿があります。かつて、90歳からの投稿もありました。

先日、”Coming of age”というフィルムを作りました。それは、一人の16歳の女子の苦痛が、ベースになっています。彼女は、同世代の男性がいかに男性目線のポルノで興奮を感じているかを、恐ろしく感じています。彼女は、若い女性が尊敬され、自然な関係を、同世代の一人の男性と築きたいという希望を持っています。

では、最後の質問です。良いポルノとは何なのか、教えて下さい。

良いポルノには、喜びの感情があります。俳優に敬意を払い、それは、撮る方にも見る方にも、幸せを感じさせるものです。


話;Erika Lust  作;Katja Bigalke(2017,5,13) 訳;Yoko Yoshimoto


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