• Yoko Yoshimoto

「自然が死ねば、人も死ぬ」

最終更新: 4月17日



・健康を維持するためには、健康な土が必要だ。医師で、生物学者である、マーティン・グラスベルガー氏は、農業革新だけが、私たちの未来を保障し得ると説く。

・人が食べているものと、その栽培方法は、今日ほど不自然なものはないと、グラスベルガー氏は言う。工業型農業、農薬散布、単一栽培は土を弱らせる。それは、人間の場合、慢性病へと導く。彼は、ワイン産地で、再生エコ栽培にも取り組んでいる。

医学は、人の体はよく観察しているが、その周りの自然に関しては、ほとんど見ていない?

医学の道に進む者は、最初のほんの少しだけ、生物学を学ぶ。つまり、人間が、環境の一部であることを、全く学ばない。しかし、すべての生物は、同じ進化の起源を辿ってきた。もし、自然が、環境汚染と化学物質によって壊されたなら、いつの日か人も死ぬ。私たちは、それを近代の病気に見る。鳥やミツバチなどの自然死は、一見すると、人の場合の慢性病とは、全く関係のないように見える。しかし、それは間違いである。

どこに本質があるのか?

生物の多様性の減少は、私たちの目に見える動物だけに限らない。バクテリアの多様性も壊されている。ここ数十年間の、私たちの大地の中と、腸の中のマイクロバイオーム(微生物の集団)は、急激に弱っており、その関係性は変わった。西洋の食のスタイルの下での人の腸内のバクテリアの多様性が失われている。人の生活の起源である、例えば、南アメリカやアフリカのスタイルを振り返る必要がある。

腸内のバクテリアと病気との関係は?

多くの慢性病の場合、マイクロバイオームの減少と関連がある。例えば、パーキンソン病などの患者は、長年、消化不良の問題を抱えていた。同様のことが、糖尿病、アルツハイマー病などにも見られた。そこでは、薬ばかりに目が行きすぎている。人間が変わったのではなく、人間の住む環境が変わったのだ。つまり、人の食べるものが。

農業の役割とは?

農業自体には、罪はない。要は、不自然なものをこれ以上作らないこと。それと、私たちは、砂糖と単糖類の炭水化物を取り過ぎている。人は、数千年以上もの間、食卓に砂糖など持たなかった。一方、腸内バクテリアは、多糖類の炭水化物と繊維質を好む。また、加工食品が急激に広まったおかげで、乳化剤などの添加物や、農業に使われる化学薬品も合わせて私たちは摂ることになった。腸内のバクテリアが喜ぶはずがない。

マイクロバイオームが弱ると、土に何が起きるのか?

人と同じように、土も病気になる、もし、マイクロバイオームが侵されれば、植物も同様に病気になる。腐植土が弱り、土は侵食される。気候変動が、その現象に追い討ちをかける。私たちの栄養を作る土が弱っている。オーストリアで、今後の数十年間に、温暖化の影響で、収穫量が最大40%減るという試算を出した。生物多様性の回復が急務である。アブラナ、小麦、トウモロコシの単一栽培は、土を弱らせるだけである。

考え方の転換の兆しはあるのか?

特定の消費者、農家、環境保護団体の間では。しかし、農業助成金の落ちるところには、全く変化がない。そこでは、これまで同様に、大農場での単一栽培が行われている。

人口増加分を、ビオ栽培でまかなえるのか?

もし、エコロジーでバイオロジーな(生態系や環境に配慮した)農業に転換しても、100億人分をまかなえると、私は考えている。昨今、多くの耕作地が、バイオ燃料と食肉用の家畜飼料のための作物に使われている。私たちは、食物の浪費を減らさなくてはならない。そして、理性ある肉食の量を考えなくてはならない。つまり、肉食を減らすことを。土は、環境再生型農業によって、再び作られ、それにより、土が気候変動に強くなる。解決は、小地区の、地域の農業構造にある。それは一見、後退に見えるかもしれない。しかし、私たちに他の選択肢はない。ビオ農法による少ない収穫は、本来の健康的な食物を取り戻す。化学肥料による多収穫は、土と健康を犠牲にするだけである。


作;Lisa Mayr(2019,10,23) 話;Martin Grassberger 訳;Yoko Yoshimoito

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